11月のお知らせ
朝夕めっきり冷え込む時候となりました。
境内に鎮守する大銀杏も少しずつ黄色味が増してきています。
さて、先月から始まった特別展「国宝 一遍聖絵」ですが、お陰様で多くの方にご来場いただいております。
引き続き「一遍聖絵」は、今月20日から遊行寺宝物館にて一、七、十一、十二巻、21日から県立歴史博物館にて四、五、六、十巻、19日から県立金沢文庫にて二、三、八、九巻、というように分かれて展示されます。各館の展示巻にはそれぞれ特色があり、全館を巡るとその味わいの違いを堪能していただけます。
また、今月は当山最大の行事、「歳末別時念仏会」・「一ッ火」を厳修します。
つきましては例年の通り、当山僧侶が市内を勧募して回っております。ご協力を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。(必ず遊行寺の身分証を身に着けています)
「一ッ火」は例年多くのご参詣がありますので、お時間には余裕をもってお越しください。なお、期間中は一時本堂を締め切ります。
◎「今月のお知らせ」のPDF版は→11月のお知らせ
◆今月の行事◆
◎歳末別時念仏会【18日(水)~28日(土)】
極楽往生の心と他力本願の深意を体得するために、当山僧侶は念仏三昧の修行をします。
ただし、27、28日を除き法要等は非公開です。
◎御滅灯(一ッ火)【27日(金)】
一年で最も荘厳な時を迎えます。
暗黒の世界にただ一つ灯される新たな灯明は、光明あまねく念仏世界を本堂内に映しだします。
また、「1年間の悪業を懺悔し、来年の善行を志す」という意味合いもあります。
ぜひご参詣のうえ、念仏の世界をご体感ください。
・開 場:午後5時
・法 話:午後5時半
・法 要:午後6時~8時半(途中休憩あり)
*法要後は法主猊下による御賦算もございます。
◎月例法話会【23日(月)】
14時より信徒会館にて
ご参加は自由ですのでお気軽にお越しください。
当月講師 : 時宗布教伝道研究所
神奈川県横浜市 浄光寺 三浦諒洸 師
◆今月の催事◆
◎第 24 回 遊行福祉まつり 【1 日(日)】
お問合わせ 第 24 回福祉まつり実行委員会TEL: 045-804-1118
◎蚤の市(骨董市)【8日(日)】
毎月第1日曜日、8時ごろよりお昼過ぎまで開催(雨天中止)
*今月は第2日曜日に変更されます
お問い合わせ:090-4416-2168(石田)
◎ボロ市(骨董市)【15日(日)】
毎月第3日曜日、8時ごろよりお昼過ぎまで開催(雨天中止)
お問い合わせ:090-2660-6935(中島)
◆今月の言葉◆
他阿弥陀佛、
南無阿弥陀佛はうれしきか
( 『一遍上人絵詞伝』 第四巻)
~ 一遍上人のおこころ ~ 他阿弥陀仏(二祖真教上人)よ、南無阿弥陀仏はうれしいものか。 |
◎師と弟子、親と子
一遍上人は亡くなる前、時衆(付き従っていた念仏衆)が最後の教えを聞きたいと願ったところ次のように答えられました。
「あなた方の信心は身・口・意(三業:人間の一切の行為・意志)の働きを超えた念仏と一体であるとは言っても、言葉だけ知っていて、意味を知らない人が多い。しかし、阿弥陀様の教えはそのように一心に往生を願うことのできない人のためにあるのです。さて、他阿弥陀仏(二祖真教上人)よ、南無阿弥陀仏はうれしいものか」
この時、一遍上人と13年間旅を共にした真教上人は、一遍上人の心中を察し、たまらず歓喜の涙を流されました。言葉ではなく涙をもって答えられたことに、完全な帰依の心がうかがえます。
真教上人は本当に良い師に出会われました。今の世の中、よき師弟関係、親子関係というのはあまり多いとは言えません。学校や家庭で起きる諸問題がそれを表しているのではないでしょうか。
茶道、武道などで使われる「守破離(しゅはり)」という言葉があります。師匠の教えをまずは守り、次に破り、そして最後は自在に離れていくという意味です。ずっと守るだけが正しいとは言えないのです。師は弟子が一歩先んじた時に師の役目を終えます。その恩は師より優れた業績を残すことで返すことができます。
また、一遍上人は時衆を弟子と呼ぶことはありませんでした。先生も弟子も共に真理を探究する一人の人間であるという謙虚な自覚が大切なのでしょう。
合掌
(山務書記:髙垣浩然)
◆遊行寺宝物館◆
特別展『国宝 一遍聖絵』【10月10日(土)~12月14日(月)】
・休館日:毎週火・水・木曜日(祭日を除く)
・入館料:一般800円、小・中学生400円、小学生未満は無料
(15名以上の団体は2割引き)